高血圧症
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高血圧症とは
血圧には上と下があり、上の血圧を収縮期、下の血圧を拡張期血圧と言います。このいずれかが高い場合を高血圧症と言います。この状態を放置していると、血管の壁が高い圧力に長い間さらされ、これに逆らうため、次第に血管壁が堅くなります。これが動脈硬化です。
さらに、この状態を放置していると、血管壁が肥厚し、血管の径が狭くなります。これは、ほぼ全身の血管に発生し、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症、脳出血、各種動脈瘤などの疾病の原因になります。これを予防するためにも、早めの治療が必要です。
原因

塩分の取り過ぎや肥満、喫煙、ストレス、遺伝的要因などが原因となります。中でも、塩分の摂りすぎが一番の原因と考えられます。
それでは、塩分と血圧の関係について説明しましょう。身体の中にはナトリウム(Na)、カリウム(K)、クロール(Cl)、カルシウム(Ca)、鉄(Fe)などの微量元素(イオン)があります。これらのイオンのうち、NaとClを上げますと、NaCl。続けて書くと分かり易いと思いますが食塩となります。
人間の体はNaであれば135~145mEq/ml、Clであれば95~105mEq/mlの間で維持するようになっています。
分かりやすく説明すると、食事で塩分(NaCl)を摂取すると、不必要なものは汗や尿から排泄されます。しかし、排泄する量には限度があるため、過剰に摂取された場合、水でそれを希釈しなければなりません。これにより水分が体内に貯留し、循環血液量が増加し、ひいては血圧が上昇します。これが、高血圧です。
高血圧を放置していると、頭痛、肩こり、ふらつきなど、血圧に付随する症状に加え、動脈硬化症の原因となり、種々の心血管疾患の原因となります。
治療

内服薬による薬物治療が中心となります。以前は強い降圧剤で急激に血圧を下げることが中心でしたが、2009年4月の日本高血圧学会(JSH)のガイドラインでは、症状(血圧の程度)、危険因子の数、年齢などで目標血圧、目標血圧までの到達期間などが示されています。したがって、薬の種類、強さは、患者さんの年齢や高血圧の程度により異なります。
しかしながら内服に頼るだけではなく、患者さん自身が生活習慣を改善し、自身で健康を管理することが重要です。特に塩分の摂取量の制限や、ストレス、喫煙、肥満に対する予防なども必要です。